はれときどきくもり

人生晴れた日もあれば曇った日もある。いい時も悪い時も人生を楽しもう。

タスククエスト ータスク管理初心者よ。いざ、わたしと共に冒険の旅へー

: 2012年7月22日

第八話

 


 

「とし…、とし…。」
耳元で優しい声が聞こえる。
 

「とし…、早く起きなさい。今日は冒険の旅に出かける日よ。」
わたしはガバと布団をはねのけて起き上がった。
 

そうだ!
 

昨日はわたしの二十歳の誕生日だったんだ。
王様に冒険の旅に出る許可をもらって、冒険の旅の準備をしたんだ。
 

この短期間に、いろいろなことを学んだなあ。
 

ペンと手帳
チェックリスト
ログ
レビュー
リマインダー

 

そして、いよいよ今日から冒険の旅に出るんだ!
 

昨日のこと、そしてこれからのことを考えて期待に胸を膨らませていると、横から笑い声が聞こえた。
 

「ふふふ、おはよっ!」
声のする方を振り向くと、幼なじみの彼女が座っていた。
幼なじみの彼女は、満面の笑顔でこちらを見ている。
 

わたしはなんとなく気恥ずかしくなったが、新しい旅立ちへの期待とともに、笑顔で応えた。
「おはよう!
いよいよ旅立ちだ!」
 


 

わたしと幼なじみの彼女は、昨日の冒険の旅の準備で手に入れた装備を身につけていた。
 

もちろん、昨日の準備で使ったチェックリストを使い回して、忘れ物のないようにしていた。
そして、準備作業の見積もりもして、作業が終わると、実際にかかった時間のログをとっていた。
この内容を、あとでレビューして見直すつもりだ。
そうすれば、今後の冒険の旅で、準備を怠りなくできるようになるだろう。
 

準備が終わろうかという頃に、母さんが大きな包みを手にして、部屋に入ってきた。
「さあ、母さん特製のお弁当よ。
腕によりをかけて作ったから、しっかり味わって食べてね。」
 

幼なじみの彼女が、手を叩きながら歓声を上げた。
「やったー。
お母さんの甘い卵焼き大好き!
それに、タコさんウインナーと、デザートは…」
 

「ウサギのリンゴ!」
幼なじみの彼女と母さんが、声をそろえて言った。
 

やれやれ。
ピクニックにでも行くつもりなんだろうか?
わたしは、頭を振った。
 

「ほら、としの好きなケチャップハートマーク付きのオムライスもあるわよ。」
幼なじみの彼女が、お弁当のふたを開けて、こちらに向けた。
 

なに!?
母さんのオムライスは最高においしいから、それははずせないよな。」
わたしは思わず身を乗り出してしまった。
 

お弁当でひとしきり盛り上がりながらも、わたしと幼なじみの彼女は準備を終えた。
あとは出発するだけだと思うと少しほっとして、わたしたちは母さんと談笑していた。
 


 

子どもの頃にわたしが頭を怪我して数針縫った、という思い出話に花を咲かせていると、不意にリマインダーからわたしの声が聞こえた。
 

「城門が開くぞ!いざ出発だ!」
 

そうだ、城門が開く時間を忘れないように、リマインダーをセットしていたんだ。
窓の外を見ると、日が傾き始め、夕方が近づいていた。
 

母さんが、つと立ち上がりにっこり笑った。
「さあ、あなたたち。お出かけの時間ですよ。
気をつけて行ってらっしゃい。」
 

わたしは冒険の旅への期待に胸を膨らませて、勢いよく答えた。
「よし、行こう!
じゃあ、母さん、行ってくるよ!」
 

幼なじみの彼女は、静かに立ち上がり、母さんに向かって言った。
「お母さん。行って参ります。
としはわたしが守るので、安心してください。」
 

そこは逆だろう、と思いつつ、わたしは荷物を担いでドアを開けて外に出た。
幼なじみの彼女もそれに続く。
 

すたすたと歩くわたしの背中に、幼なじみの彼女が声をかけた。
「とし!
お母さんにちゃんと挨拶するのよ。」
 

わたしの心は、冒険の旅への期待と、母さんを一人で残していくことへの不安と、もしかしたら今生の別れかもしれないという寂しさが入り混じっていた。
複雑な想いを胸に、くるりと振り返ると、母さんがいつもわたしの外出を見送るときのように、優しい笑顔で玄関に立っていた。
「とし、好き嫌い言わないで、ちゃんとごはんを食べるのよ。
いつもそばにいてくれる人への感謝を忘れないでね。」
 

わたしは、押し寄せる気持ちに流されそうになりながら、グッとこらえて笑顔を作った。
「ああ、もちろんさ。
母さんこそ、体には気をつけて。
帰ったら、ケチャップハートのオムライスを頼むよ。」
 

それだけなんとか言い切ると、わたしは走り出した。
これ以上は笑顔でいられる自信がなかったからだ。
 

幼なじみの彼女は、母さんに向かって深くお辞儀をした。
母さんは、体を起こした幼なじみの彼女の肩に手を置いて、言った。
「あなたも体には気をつけて。
そして、どうか、としをお願いね。
あの子はのんびり屋でお調子者だから、苦労をかけるけど。」
 

「ええ、お母さん。
としのことはよく分かってるから、心配いらないわ。
わたしがうまく操っちゃうから!」
幼なじみの彼女は、マリオネットを操る仕草をして、ウインクした。
 

「ふふっ、そうね。
あなたに任せておけば安心だわ。」
母さんは優しくほほえんだ。
 

幼なじみの彼女は、手を振って母さんの元を立ち去り、わたしの後を追って走った。
 

母さんは手を振りながらつぶやいた。
「父さん、どうかあの子たちを守ってあげてください。」
 


 

わたしと幼なじみの彼女は、城門の前に到着した。
城門が開く時間には、まだ少しあるようだ。
 

城門は、魔物たちの進入を防ぐため、普段は堅く閉ざされている。
しかし、城壁を行き来する人々_他の国からの使者、冒険の旅に出た旅人、交易をする商人など_のため、一日二回_朝と夕方_だけ門を開く。
その時は、ミノという名前の植物から作った、匂いを薄めてくれるフスキー粉を散布する。
これによって、匂いが拡がって魔物が近づいてくるのを防いでいるのだ。
 

不意に、城門の周囲があわただしくなってきた。
そろそろ城門を開く時間だ。
 

兵士たちの大声が飛び交う中、わたしは落ち着いた気持ちで、過去のことを思い返していた。
オムライスを食べるわたしを見る母さんの嬉しそうな顔、いたずらをしたわたしを叱る母さんの厳しい顔、冒険の旅に出ると言ったときの母さんの複雑な顔…。
 

ゴゴゴゴゴゴゴ…
 

城門が重々しい音を立てて、ゆっくりと開いていく。
それは、もう引き返せないぞという宣告のようでもあり、これからの冒険の旅を祝うファンファーレのようでもあった。
 

わたしは幼なじみの彼女と向かい合って、軽く拳を合わせた。
そして、城門の外へと一歩を踏み出した。
 

二人が門を出ると、城壁の中で鐘の音が響いた。
冒険の旅に出る若者たちを祝福して、時の鐘をいつもとは異なるリズムで鳴らすのが、この国の習わしだ。
人々はそれを旅立ちの鐘と呼び、その鐘の音が鳴り響く間は、冒険者のために祈るのだ。
 

そのころ、アーレン城では、デービッド王と宰相のカイーゼが、旅立ちの鐘を聞いていた。
 

「いよいよだな。
あのものは、この時代を終わらせる勇者なのか、それとも…。」
デービッド王は、憂いを含んだ眉間にしわを寄せながらつぶやいた。
 

「いずれにせよ、時代が大きく動くことでしょう。」
宰相のカイーゼが重々しく答えた。
 

デービッド王は、宰相のカイーゼの言葉を噛みしめるように、ゆっくりと頷いた。
「うむ、そうだな。
たとえそれが茨の道であろうとも、行く手に花畑があることを信じよう。」
 

「御意。」
宰相のカイーゼの声が、夕闇の中に溶けていった。
 

解説

第八話を読んでくださって、ありがとうございます。
 

さて、としと幼なじみの彼女は、冒険の旅への第一歩を踏み出しました。
 

としは、早くも冒険の旅の準備で学んだことを実践していました。
チェックリスト、見積もり、ログ、リマインダー、そしてレビューです。
時間がかかってしまった冒険の旅の準備も、無駄ではなかったんですね。
 

これからの冒険の旅で、様々な困難を乗り越え、工夫をすることによって、としのタスク管理もレベルアップする事でしょう。
 

タスク管理ってよくわからないから、とためらっているあなた!
タスク管理の達人の技を見て、あんなことわたしにはできない、と尻込みしてるあなた!
見よう見まねでも構いません。
最初から完璧になんてできません。
少しずつ試していって、改善すればいいのです。
あなたも一緒に、冒険の旅でレベルアップしましょう。
 

どうぞ、これからもお楽しみに!
 

いつも応援してくださるあなたに、心より感謝します。
 

また、こんないい方法もあるよ、というご意見がありましたら、わたし(@toshi586014)宛にお知らせください。
もちろん、ストーリーに関するご感想も大歓迎です。
 

それでは、次回またお会いできることを、楽しみにしています。
 

晴れた日も、曇った日も、素敵な一日をあなたに。
 

【前回のお話】
 

タスククエスト ーリマインドを制するものはタスクを制すー | はれときどきくもり

 

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タスククエスト ーレビューを制するものはタスク管理を制するー | はれときどきくもり

 

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