はれときどきくもり

人生晴れた日もあれば曇った日もある。いい時も悪い時も人生を楽しもう。

タスククエスト ー記録は記憶よりも強しー

: 2012年7月11日

第六話


 

わたしは、幼なじみの彼女とともに、家に帰って来ていた。
 

彼女に家族はいない。
彼女は、幼い頃から一人で暮らしているが、今日のように、時折わたしの家で過ごしていた。
 

わたしは、彼女と食卓を囲っていた。
窓からは夕日が射し込んでいる。
日が暮れる前に食べ終わって、夜の支度をしなければならない。
 

母さんが作ってくれた晩ごはんを食べながら、彼女が言った。
「明日からいよいよ冒険の旅に行くわけだけど、としはログをとったことはある?」
 

ログ?
 

ログって何だ?
もしかして、海賊王におれはなる!のあれか?
 

わたしが右手をかぎ爪のようにしながら考えていると、彼女がわたしの右手を見ながらニヤニヤして言った。
「ログというのは、記録のことよ。」
 

わたしは、そんな彼女の様子を見て、やや強がって答えた。
「もちろん知ってるよ。
記録をナニするアレだろ?」
 

彼女はくっくっくっと含み笑いをしながら、わたしの方を見て言った。
「そうね、記録をナニするアレよね。
じゃあ、例えば、今日の冒険の旅の準備で、何をしたか分かる?」
 

わたしは今度こそ自信満々に答えた。
「もちろん。
手帳のチェックリストを見れば分かるさ。」
 

彼女は、そんなわたしを見て、ふわりと微笑んで言った。
「その通りよ!
さすがとし。よく分かってるわね〜。」
 

わたしは彼女にほめられて、少し気分をよくした。
もっとも、語尾の『ね〜』が少し気になったが。
向こうの通りに住む、真面目なシーズという女の子をほめるときに、ああいう話し方をしてたような気が…。
 

そんなわたしを見て、彼女はにっこり笑って言った。
「それなら、それぞれの作業で、どれだけ時間がかかったか分かる?」
 

「えっ!?」
わたしは唖然とした。
それぞれの作業でかかった時間だって?
そんなこと考えたこともなかった。
でも、何でそんなことを聞くんだ?
 

そんなわたしを見ながら、彼女は話を続けた。
「何でそんなことを聞くんだ?っていう顔をしてるわね。
それを説明する前に、一つ質問があるの。
冒険の旅の準備をする前に、準備にかかる時間は一時間くらいかな、って聞いたでしょ。
その時、としはなぜ一時間で準備できるって答えたの?」
 

わたしは、今日の酒場での出来事を思い出していた。
「うーん…。
なぜと言われても、特に理由はないな。
なんとなくいけそうな気がしたからかな。」
 

彼女は、やっぱりねという顔をして言った。
「そういうときは、作業ごとに時間の見積もりをするのよ。
そうすれば、どれくらいの時間で全部の作業が終わるか見通しがつくでしょ。」
 

そう言えば…、とわたしは思い出していた。
彼女のチェックリストには時間が書いてあったな。
 

そこで浮かんだ疑問を、わたしは口にした。
「でも、時間を見積もると言っても、やったこともない作業の時間を、どうやって見積もるんだ?」
 

彼女は少し眉をひそめて言った。
「確かに、全く初めての時は難しいのよね。
でもね、人って案外似たようなことをしているから、それを参考にして見積もるの。
例えば、防具屋に行ったことがなくても、近くの果物屋には行ったことがあるでしょ?
そうしたら、果物屋に行ったときの作業時間を見れば、防具屋にどれくらいで行けるかだいたい分かるわよね。」
 

ふーん、なるほど。
わたしは納得して頷いた。
「ということは、果物屋に行ったときの作業時間が分からないとダメなんだな。」
 

彼女は、珍しく物わかりのいい生徒_もちろんわたしのことだ!_に満足したようで、満面の笑顔で続けた。
「そうよ!そのためのログなのよ!
作業をするときに、どんな作業をしたかと同時に、どれだけ時間がかかったかを記録しておくの。
そうすれば、次回同じような作業をするときに、どれくらい時間がかかるか分かるでしょ。」
 

そして、彼女は少しいたずらっぽい顔をして、話を続けた。
「これで、ログが記録をナニするアレか分かった?」
 

わたしは、胸を反らせて自信満々に答えた。
「もちろん!
作業内容と作業にかかった時間を記録することで、今後の参考にするんだろ?」
 

彼女は、優しく微笑んで言った。
「そうよ。さすがとしね〜。」
 

やっぱり、語尾の『ね〜』が気になったが、細かいことは気にしない性格なので…。
 

彼女は、なんだか楽しそうにわたしを見ながら、話を続けた。
「ログにはもう一つ大事な特徴があるのよ。
それはね…」
 

その時、急に部屋が薄暗くなった。
日が傾いて、山陰に入ったのだ。
 

しまった!
つい話し込んでいて、時間がたつのを忘れていた。
 

もう日が暮れてしまう。
その前に、夜の支度をしなければ。
 

わたしは、ログのもう一つの特徴が気になって引っ張られる後ろ髪をなだめすかしつつ、夜の支度をするために、母さんのいる部屋へと向かった。
 

解説

第六話を読んでくださって、ありがとうございます。
 

さて、今回はログが登場しました。
ログはタスク管理をする上で、とても重要_と毎回言っているような気がしますが、どれも大事なんです_な事の一つです。
 

それはなぜか!?
としが、最後の方で自信満々に_彼女からは子ども扱いされていましたが_答えていましたね。
「作業内容と作業にかかった時間を記録することで、今後の参考にするんだろ。」
と。
 

参考にする目的はいろいろあります。
一つは今回出てきた作業時間の見積もりです。
その他にも、レビューや、幼なじみの彼女の言うもう一つの大事な特徴でも参考にします。
このあたりについては、またいずれ。
 

しかし、ログをとるのは結構手間がかかります。
作業をしながら記録していくのが理想ですが、急いでいるときはうっかり忘れてしまいます。
 

そんなに苦労してログを取らなくても、だいたい憶えてるよ、と思ったあなた!
記憶というのはかなり補正されてしまいます。
わたしは、前回紹介したランニングの準備で、ひしひしとそれを実感しました。
 

というわけで、わたしは、ToodledoというWebサービスとTaskPortProというiPhoneアプリを使って、なるべく簡単にログをとれるような仕組みづくりに挑戦しています。
まだまだ試行錯誤中ですが、その方法もいずれ紹介しますので、お楽しみに。
 

いつも応援してくださるあなたに、心より感謝します。
 

また、こんないい方法もあるよ、というご意見がありましたら、わたし(@toshi586014)宛にお知らせください。
もちろん、ストーリーに関するご感想も大歓迎です。
 

それでは、次回またお会いできることを、楽しみにしています。
 

晴れた日も、曇った日も、素敵な一日をあなたに。
 

今回の解説で紹介したアプリはこちら↓です。
 

Toodledo – To Do List 2.2.1(¥250)

カテゴリ: 仕事効率化, 辞書/辞典/その他
現在の価格: ¥250(サイズ: 12.3 MB)
販売元: Toodledo – Jake Olefsky, LLC
リリース日: 2008/10/07
現在のバージョンの評価: (25件の評価)
全てのバージョンの評価: (506件の評価)
App + iPhone/iPadの両方に対応


 

TaskPortPro 1.5(¥450)

カテゴリ: 仕事効率化, ビジネス
現在の価格: ¥450(サイズ: 4.2 MB)
販売元: subakolab inc. – subakolab inc.
リリース日: 2011/06/04
現在のバージョンの評価: (1件の評価)
全てのバージョンの評価: (10件の評価)
App


 

【前回のお話】
タスククエスト ーチェックリストはかく語りきー | はれときどきくもり

 

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